プレインエイジア

今日は3面ボス・上白沢慧音の曲"プレインエイジア"について。


"ミステリアスさと真剣さを強調しました。"とある通り、不可思議な印象を抱かされる。
ハクタクという神獣のもつ神々しさを、捕らえようのない存在として認知する。
その理解できない存在を表現するために、この曲では幻想パートの効果を最大限に利用している。
今回は幻想パートの音ですら単純に形容出来ないので、実際に聞き比べてみるしかない。
(ピアノ主旋律の裏で何かしらが唸っているように聞こえたりしないだろうか?)
この形容の仕様がない、人間の言葉で理解されない音が慧音のミステリアスさと真剣さをいろどっているのだろう。


また、この曲について"イントロのピアノがかなり印象的でメロディアスな感じがして..."という説明もあるとおり、
主旋律の動きはめまぐるしく聴く側を飽きさせない。
また、その音の繋がり方などから、詩的な音の連なりよりも器楽的な旋律のうねりを感じ取れる。
(ピアノを主旋律に置いている時点でシステマティックな音の動かし方が出来るせいもあるだろうが)
端的にいえば、"旋律(メロディ)ではあるが詩(うた)ではない"といったところか。
これは3面道中曲と比べると一目瞭然であろう。


さて、今日は曲名に対する雑考も。
"プレインエイジア"というタイトルだが、エイジアはAsiaで決まりだろう。
では、"プレイン"には果たしてどのような英語(?)を綴れば良いのだろうか?
当てはまりそうなものを思いつく限りあげてみる事にする。
なお、意訳については英語の文法上の問題を無視している。

  1. Plain Asia :平原アジア
  2. Playin' Asia :アジアの音楽
  3. Prayin' Asia :アジアの祈り
  4. Pray-in Asia :アジアの集団抗議祈祷

一番目はそのまんま、アジア大陸(正確にはユーラシア大陸の一部)というのをイメージして。
二番目もそのまんまですか、アジアンミュージックを指して。
三番目も読んで字の如し、アジアの祈り。続く先は仏教かそれとも……。
四番目はちょっと特殊かも、pray-inで集団抗議祈祷という意味があるらしい。
(この他にも"アジアの飛行機"などと考えたが、世界観からしてありえないので除外。)


正解がどれだという事は分らない。多分ダブルミーニングなどを考慮してカタカナ英語にしたのだろう。
ただ、自分が一番気になるのは4番目、集団抗議祈祷という解釈である。
夜一夜樂団でのこの曲に関するコメントの後半部を読むと、作曲者の意志というものが包み隠さずかかれている。
"決して和製の音樂を癒しの素材なんかに貶めるものか。"このコメントから何か読み取れないか。
………………まさに抗議文のようではないだろうか?
純邦樂とポップスなどいわゆるmusicとの関係に対して何かしらの意図を持った声明文とも見える。
そうなるとプレインという単語に抗議祈祷という意味が見えてくる。


繰り返すが、これが正解というのは分らない。現時点ではどれもが解となる可能性を持っていると見るべきかも知れない。
この曲に秘められた意図を知るのはいつの日か………?